何のための不動産投資?

足腰立たなくなって自由になる資産って…

情報に翻弄される初心者

ツイッターなどのSNSでは、いろんな人が持論を展開しているし、キラキラ大家が出している本の内容は相変わらずラノベ並みのファンタジーなので、不動産投資に興味を持ったり、これから始めようとする人にとっては、何が正解か分からない人が多いと思います。もしくは、何らかの目的で不動産投資を始めたのは良いが、そうした他人の持論に流されて本来の目的とは違う方向に進んでしまう人もいるのではないでしょうか。

様々な手法がある中、不動産投資なのか、賃貸経営なのか、それとも小銭儲けを兼ねた趣味なのか、今自分のやろうとしている事に、どういう結果が求められるのかをはっきり理解した方が良いでしょう。例えば不動産投資であれば、「投資」なのですから求められるのは当然投資額に見合ったリターンです。狙った期間中に狙ったリターンが得られない、もしくはそもそも得られることが期待できない事が分かっているような投資であれば、投資としての価値は無いと考えられます。賃貸経営であれば、「経営」なので日々利益を稼ぐ必要がありますので、仮に20年、30年後に資産が築けたとしても、毎日の生活に窮するような収支では、経営する意味がありません。

キラキラ大家が出版した本のイメージ

儲からないラーメン屋

例えばあなたがラーメン好きなのを知ったある業者が、「ラーメン店を開業して、店からの利益は0円だが、月々の生活費はサラリーマンやアルバイトで稼げばいい。20年後にはラーメン店の権利を○○万で譲渡できる」という話を持ってきたとして、みなさんはラーメン店を始めますか?私だったら、ラーメン店運営に係るであろうリソースを他に回すことで収入を倍増できないか検討します。

この話、「不動産投資からのCFは0円だけど、生活費はサラリーマンの本業で稼げて、20年後に不動産について完済すれば資産が残る」という内容に、ほぼ置き換えることができます。そんな不動産投資やる価値あります?

写真はイメージです

今更ですがキャピタルとインカム

不動産投資と本当に呼べるのは、短期間でのキャピタルゲインを狙った転売だと私は考えています。もちろん、売買を反復継続するには宅建業法による制限をうけるので一般向けではありませんが、理論的には投資(取得)した物件の価格が何らかの原因で上昇し、売却した後に手数料や納税額を除いて、利益が残るというのが、本当の意味での不動産投資です。ただし、30年後には値上がりするかもしれないから今買っておこうというのでは、あまりにも見通しがいい加減で、もはや記念切手とかコインとかを買っておくのと同じレベルで、投資の妥当性に何ら根拠がないので、そうなると趣味の世界です。

値上がり確実なお宝物件!?

私は普段「不動産投資」という言葉を便宜的に使っていますが、それはその方が共有できる言葉として普及しているからであって、収益物件を使ってインカムゲインを狙うやり方は、本来「賃貸経営」と呼ぶべきだとツイッターなどにも以前から投稿しています。インカムゲインを狙う事業なので、一般的な商売と何ら変わりません。日々の仕入れや売上は有りませんが、代わりに設備投資を行って「住環境」というサービスを提供し、その対価として家賃を支払ってもらい、一部を生活費、再投資といった「可処分所得」にあてるというものです。従って、賃貸経営を行っているのであればインカムゲインとしての毎月のCFに余裕があって当然ですし、そもそもCFが残らないような賃貸経営ではやる意味が無いのです。

毎月これだと寂しい…

インカム狙いなら

またせっかくインカムゲインを狙って、CFに余裕のある状況で賃貸経営を始めたとしても、前述したように「可処分所得を増やす」ことから道がずれてしまっても意味がありません。例えば、納税額が大きくて(あたりまえですが)もったいないので、少しでも節税を意識して法人での賃貸経営を始めたはいいが、節税を気にし過ぎるあまり、経費割合を増やし、(個人の所得税が増えるので)役員報酬を思うように取れず、規模の割に顧問料などの出費は増え、会社の利益は溜まっても、個人目的での利用ができないのでは本末転倒です。(法人の預金通帳から引きだしたお金で、勝手に飲みに行っちゃだめですよ~)

収益物件を使った賃貸経営の基本は、余裕をもって返済ができて、なおかつ残ったCFにより自由に使途を選べる可処分所得が増えるだけの、十分な家賃収入のある状態を作る事だと考えます。そのためにやらなければいけない事を「理論的」に考えれば、物件の選定時点でできるだけ利回りの高い物件を選ぶこと、できるだけ低い金利で資金を調達すること、運用中はできるだけ出費を抑える事と、自ずから答えは見えてきます。そうした物件を見つけ出すのは至難の業かもしれませんが、逆に言うとそういう物件を何としても見つけなければ、賃貸経営の状況は厳しくなり、最悪の場合やっても意味のない経営になるかもしれないという事を、あらかじめ覚悟しておく必要があります。

安定するまではね…

ただ長生きしてもねぇ

冒頭にも書いたように色々な考え方があるので、長期的に資産形成できるなら毎月のCFは少なくても元本返済分は貯金しているようなものなので構わないという人がいるかもしれません。とは言え10年後、20年後、30年後という長いスパンで考えると、所有している不動産の価値が下がらないという保証は全くないので、蓋を開けてみれば期待していた程の資産にならなかったという可能性は残ります。それにもまして、60歳、70歳を過ぎて完済して、自分の資産が形成でき、やっと家賃収入=CFになったとして、何するんですか?子供は独立して一緒にキャンプや旅行に出かける機会は無い。これといった趣味も無い、もしくは趣味はあったけど、もう体がついてこない。美味しいものを見ても、病気や年齢のせいで思うように食べられない。でも資産は〇億円、年収〇〇万円って、何のための不動産投資でしょう?

だって使い途がないんだもん…

というわけで、不動産投資を始める以上、重要なのは、可処分所得、つまり自由に使途の選べる資金を継続的に得られるという事が前提だと私は考えます。使途が自由なわけですから、旅行に行くも良し、新しい車を買うもよし、株に投資するも良し、新しい物件を取得するもよし、繰り上げ返済するもよし、とにかく投資家、事業主の「好きにできる」という点が最も重要です。

私は幸い50を過ぎてもまだ今のところ四肢も内蔵も丈夫なので、コロナの状況が落ち着けば、元気なうちに人生を楽しむことに可処分所得(の一部)を有効活用する予定です。

歯が丈夫なうちに肉を食いまくるんや

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