投資か事業か?

不動産投資の本質とは何か

収益不動産を知るきっかけ

駅前を歩いていると、資産形成に関するアンケートなどと称して、新築・築浅ワンルームマンションの勧誘に遭うという話はよく聞きますし、実際にそうした勧誘に遭って困っている人からの相談を受けたこともありますが、実は私自身そのような場面に出くわしたことが無いため、2014年に築古区分マンションを購入するまで、不動産投資という世界とは無縁でした。

きっかけは「ある不動産物件」への興味です。

当時、家計に少し余裕が出てきたので、8年乗り続けた車を買い替えるか、良い時計でも買おうかなどと考えていて、ふと別荘を持ってみたいと思ったのです。資産を保有するという考えが全くなく、余裕があれば浪費する、負債を抱えることしか考えいなかったのです。そして、インターネットで別荘の情報を調べていると、古くて小さい物件なら、数百万円で取引されているのが分かりました。

2020年に購入した築古別荘からの景色(一応オーシャンビュー)

週末別荘に行き、DIYで色々直して楽しめるような物件は無いかなと、パソコンの画面を眺めていると、目に飛び込んできたのが、「一棟アパート購入に関する書籍を購入して、その通り実践したら自分も一棟アパートが購入できた」という内容のブログ記事でした。当時の私は、アパート経営なんて先祖の土地を受け継いだ地主しかできない、もしくは資産家が不動産売買によって差額で儲けるものという先入観を持っていたので、自分のような普通のサラリーマンが不動産投資など、できるはずが無いと思っていましたが、本の通り実践してアパートが取得できるのなら、できるところまでやってみようと、紹介されていた書籍を購入しました。

一棟アパート買えません!

書籍には、アパートを入手するのも、運用するのも簡単そうに書いてあり、読み終える頃には不動産投資を始める気満々で、別荘の事などすっかり忘れていました。その本には続編もあって、そちらも続けて購入し、2冊目を読み終わるころには、「にわか不動産投資家」が誕生していたのです。

ホント、初心者向けの不動産投資本って危険極まりないですね。


その書籍に書いてある通り、ポータルサイトにユーザー登録し、関東であろうが北海道であろうが、とにかく利回りの高い物件に対してどんどん問い合わせをしました。ところが、保有する自己資金の範囲内で、現金で購入できる木造アパートというのは非常に限られており、ましてや高利回りとなると、そう簡単に見つかりません。

初心者向けの書籍はどれもそうですが、私が購入したその2冊の書籍も同様で、融資に関する記述がほとんど無いため、金融機関から融資を受けるにはどうしたら良いか、手持ち資金より高額な物件を購入するにはどうしたら良いかといった点については全く無知でした。

高利回り物件に問い合わせしても、全く具体的な話にならないという事を何度も繰り返した後、一旦アパートの取得をあきらめ、目先を変えて区分マンションを探し始めたのです。もちろん手持ちの自己資金の範囲内での現金購入です。もし過去の自分に合うことができれば、区分マンションの購入などせず自己資金を温存しろとアドバイスしたでしょうが、結局、数ヵ月後に初めての収益物件として1Kの区分マンションを購入したのでした。

不動産投資では「○○努力」が必要

不動産投資は他の事業に比べると、資金さえあれば参入障壁が比較的低く、経験の無い人でも簡単に始められます。しかし難しいのは収益物件を取得する事ではなく、むしろ取得した後にその物件をどう運営していくか考え、状況判断をしながら臨機応変に対応していくことです。従って、「不動産投資」という言葉があまり適切ではなく、「賃貸経営」を使うべきだと考えています。(SNSなどで投稿する際は、読む方に分かりやすいよう「不動産投資」という言葉を使っています)

不動産投資=賃貸経営という事業である以上、不動産投資家は昔ながらの「大家さん」ではなく「経営者」であるべきです。そして経営者であれば、事業で成功して利益を得たり、事業を拡大するには「経営努力」が必要です。

突然の退去、回収できない家賃、設備の故障など、トラブルは前触れもなく突然やってきますが、経営者の観点から努力せず、何でも無条件に人任せにしてしまうのでは、計算通りの利益を残すことは難しく経営者としても失格です。

私自身、経営者として勉強しなければいけないことはまだまだたくさんありますが、そうした前触れなく訪れるトラブルを、人任せの投資ではなく事業としての観点から対応し、一つ一つ乗り切ることができたからこそ、経験値が少しずつ上がって、今でも収益不動産物件の運営が続けていられるのだと信じています。

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