分かった「フリ」を放置しない

見慣れない単語・用語は、自分で調べて理解度を高く

安定しない正答率

宅建学習で過去問を解いていると、同じ年の問題を複数回解いた場合でも、正答率(正解数)が変わる事があります。

1回目は25点、2回目は30点、3回目は35点と、あと少しで合格圏の点数が取れると期待して臨んだ4回目は30点と、点数が下がってしまったような経験はありませんか?

(何回も過去問を解いてないので傾向が分からないという方は、今からでもまだ間に合うので、とにかく過去問を反復して解きましょう)

そんな時は、どの分野・どの単元の問題で間違えているのか傾向を分析してください。

もし毎回同じ問題で間違えているならば、合計点数が高い低いに関わらず、正答率はそれほど変化しないはずで、その苦手としている問題や分野に集中して勉強すれば良いので、対策は比較的簡単です。

そうではなく、毎回違う問題で間違えているけれども、50問あるので全体で見ると30点前後は取れているという場合は、問題を理解していない、用語の意味を理解していないといった理由で、正しい答えが導き出せていない可能性があります。

用語を理解するだけで解ける問題

これまでに自宅や収益物件を取得した際に、融資を受けた経験のある人なら、必ずと言っていいほど「抵当権」という言葉を目にしたことがあるはずです。

この「抵当権」という用語、意味をなんとなく分かっていても、一言で簡単に説明できる人は少ないと思います。

私自身もこれまでに経験した物件の決済で、何度も金融機関と契約していますが、「抵当権」というのは融資を受けると自動的に設定されるもので、「本当の持ち主は銀行だという証でしょ」ぐらいにしか認識していませんでした。

そのぐらいの理解度で宅建の過去問に取り組んだ場合、例えば「債権者であるAが抵当権を実行すると」という文言が問題文にあったとしても、実際に何が起きるかピンと来ないはずです。

(「抵当権についてはたくさん勉強したから詳しいよ」という人は、読み飛ばしていただいて結構です)

抵当権というのは一言でいうと、金融機関などその権利を設定した「債権者」が権利の対象である物件を競売にかけて売却することで貸し付けていた現金を回収することができる権利です。

もっと嚙み砕いて言うと、例えば、あなたが現在所有して住んでいる自宅を、銀行が勝手に知らない誰かに売却したとしても文句は言えないよという約束をさせられているという事です。

この「抵当権」の意味がしっかりと理解できていれば、例えば次のような過去問は簡単にイメージすることができます。

<平成28年問4肢2>
Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

(選択肢)
甲土地上の建物が火災によって焼失してしまったが、当該建物に火災保険が付されていた場合、Bは、甲土地の抵当権に基づき、この火災保険契約に基づく損害保険金を請求することができる。

Aは甲土地に抵当権を設定したわけですから、「甲土地を売ってその代金を得る権利」を有するのであって、「甲土地上の建物を売ってその代金を得る権利」は、最初から持ち合わせていません。

従って、甲土地上の建物を火災で焼失して売却するものが無くなったとしても、そもそも当事者でもないのですから損害保険金を請求できるわけが無いのです。

つまり「抵当権」の意味をしっかりと理解しているだけで、この選択肢が「X」であると容易に推測できます。

宅建は50問ではない

さて問題です。毎年宅建試験で出題される問題の数は何問でしょう?

「そんなの50問に決まってるじゃないか」と思う人が多いと思いますが、そうではなくて「最大200問」が正解です。

ご存知の通り宅建試験の問題というのは、4つの選択肢の中から正しいものを見つけ出すという内容ですが、この「4択問題」にはいくつかのパターンがあって、それぞれ難易度が違います。

例えば東京23区の人口に関する問題があったとします。

<パターン1>
「東京都23区で人口が最も多い区は?」という問題で

  1. 千代田区
  2. 世田谷区
  3. 港区
  4. 北区

という選択肢の場合、正しいものを一つ覚えているだけで正解できるので、求められる知識量は少なく難易度も低めです。

<パターン2>
「正しいものを選べ?」という問題で

  1. 東京都の人口は1500万人以上である
  2. 東京23区で最も人口が多いのは世田谷区である
  3. 渋谷区より新宿区の方が人口は少ない
  4. 品川区の人口は50万人を超えている

という選択肢の場合、各肢ごとに正しいかどうかを判断する必要があり、求められる知識量が増え難易度も高くなります。

<パターン3>
「都心3区を人口の多い順に並べよ」

  1. 千代田区、港区、中央区
  2. 千代田区、中央区、港区
  3. 港区、中央区、千代田区
  4. 港区、千代田区、中央区

という選択肢の場合、求められる知識量が多いだけでなく正確さも必要とされるので、難易度が非常に高くなります。(ちなみに正解は3です)

過去問を一通り解いた方は既に気付いていると思いますが、宅建試験のほとんどが「パターン2」の「4つの選択肢の一つ一つが正しいかどうか」を判断する問題です。
(実際の宅建試験では、「パターン3」の問題数を増減することで、各年度の合格難易度を調整しているようです)

つまり、考え方によっては問題が4つ並んでいるようなものなので、「宅建試験は最大200問ある」と言っても過言ではないのです。

過去問は一問一答で

私が最初に受講した宅建の通信講座で使っていた過去問集は、4択問題の状態で記載されていました。そして、難易度別に分類してあり難易度の低いものから優先的に解いてマスターすることで効率的に学習しましょうといった内容です。

時間のある方には向いているやり方かもしれませんが、私はあまりお勧めしません。

以前紹介した無料アプリでも、書店で販売されている過去問集でも構わないので、「宅建試験は200問」あるつもりで、各選択肢ごとに毎回正解できるよう反復して練習しましょう。

また、正答回数の低い問題や選択肢については、その分野の学習が不足していて知識が足りていないか、単語・用語の理解が浅くないかなど分析し、分からなければ自分で調べて、正確な知識を得るよう心掛ければ、再現性が高くなることで正答率が少しずつ上がっていきます。

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